【30代向け】転職サイト/転職エージェントの比較一覧表
形態 | 名称 | 会員登録 | 公開求人数 | こだわり検索 | 診断ツール | 検討リスト | 検索条件保存 | スカウト | ブロック | 面談 | 面接対策 | 日程調整 | 年収交渉 |
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転職サイト | doda 転職 | 無料会員登録 | 56,302件 | ○ | ○ | ○ | ○ | – | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
リクナビNEXT | 無料会員登録 | 40,773件 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | – | – | – | – | |
ビズリーチ | 無料会員登録 | 115,000件 | ○ | – | ○ | ○ | ○ | ○ | – | – | – | ○ | |
キャリアカーバー | 無料会員登録 | 115,000件 | ○ | – | ○ | ○ | ○ | ○ | – | – | – | ○ | |
ミドルの転職 | 無料会員登録 | 125,331件 | ○ | – | ○ | ○ | ○ | ○ | – | – | – | – | |
転職エージェント | dodaエージェント | 無料会員登録 | 10万件以上 | – | – | – | – | – | – | ○ | ○ | ○ | ○ |
リクルートエージェント | 無料会員登録 | 103,679件 | – | – | – | – | – | – | ○ | ○ | ○ | ○ | |
マイナビエージェント | 無料会員登録 | 非公開 | – | – | – | – | – | – | ○ | ○ | ○ | ○ | |
パソナキャリア | 無料会員登録 | 非公開 | – | – | – | – | – | – | ○ | ○ | ○ | ○ | |
type転職エージェント | 無料会員登録 | 非公開 | – | – | – | – | – | – | ○ | ○ | ○ | ○ | |
JACリクルートメント | 無料会員登録 | 非公開 | – | – | – | – | – | – | ○ | ○ | ○ | ○ |
「35歳転職限界説」が囁かれていた数年前の状況とは打って変わって、30代でも転職の可能性が大きく広がる時代がやって来ています。少子高齢化に伴う深刻な労働力不足を背景に、30代の成熟したビジネスパーソンを中途で求める企業が増えているのです。
30代は企業からも貴重な戦力として大きく期待される時期ですが、それと同時に、転職等を通じたキャリアアップの機会を得ることができる絶好のタイミングでもあります。
上記を踏まえ、以下では、30代の転職を考えるにあたって押さえておくべきポイントを踏まえた上で、30代におすすめの転職サイト/転職エージェントをランキング形式で比較しています。当サイトの内容が転職を考える30代のすべての方々にとって、良い判断材料の一つとなれば幸いです。
30代におすすめの転職サイトを比較
上記を踏まえ、まず、30代におすすめの転職サイトをランキング形式で紹介していきます。
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doda
1つのサイトで全面的に転職をサポート
dodaは、大手企業/未経験者歓迎等の求人が豊富な転職サイト。運営はパーソルキャリア株式会社。面接対策などの転職活動に必要なコンテンツも充実。企業からのスカウトやカウンセリング等、1つのサイトで全面的に転職をサポートしてくれる。診断・書類作成ツールも豊富に存在。30代で転職活動を始めるなら登録しておきたいサイトの一つ。
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リクナビNEXT
自分では探せない「ぴったり」を抽出
リクナビNEXTは、人材業界最大手の株式会社リクルートキャリアが運営する転職サイト。膨大な求人情報の中から自分だけでは見つけ出すことのできない「ぴったり」を30代向けに抽出してくれることが大きな特徴。「気になる」を押した企業からの嬉しい誘いに加えて、場合によっては、思わぬ企業からダイレクトで応募の打診が来ることも。
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ビズリーチ
ハイクラス人材に特化した転職サイト
ビズリーチは、即戦力・ハイクラス人材に特化した国内最大級のハイクラス転職サイト。運営はビジョナル株式会社。30代向けハイクラス求人が豊富に用意されていることに加えて、優良企業や一流ヘッドハンターからビズリーチを通じてスカウトを受け取ることで、思いもよらない企業やポジションに出会うことができる。
総合評価88
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マイナビ転職
日本最大級の転職サイト
マイナビ転職は、マイナビグループが運営する日本最大級の転職サイト。プロによる「履歴書添削」「面接ノウハウ」「WEBセミナー」等の転職サポートが30代の求職者に好評。企業担当者と直接話すことができる転職フェアも全国で開催している。また、無料のスキル診断サービス「hin+(ヒンタス)」を活用することで、これまで気づくことのできなかった自身の強みを知ることができる。
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キャリアカーバー
厳選した優良なヘッドハンターが魅力
キャリアカーバーは、人材業界最大手の株式会社リクルートキャリアが運営するハイクラス・エグゼクティブ限定の会員制転職サイト。ハイクラス人材向けに厳選した優良なヘッドハンターだけがサービスに登録。会員登録完了後はスカウトを待つだけでOK。担当コンサルタントは自分で選ぶことができる。30代ハイクラス求人も豊富に取り扱っている。
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ミドルの転職
30代・40代を中心とする「ミドル世代」向けの転職サイト
ミドルの転職は、30代・40代を中心とする「ミドル世代」向けの転職サイト。運営はエン・ジャパン株式会社(東証一部上場)。ミドル世代向けの求人を国内最大規模で掲載しており、経営幹部・CxO・部長クラスの募集など年収1,000万円を超えるハイクラス求人も豊富。職務経験や保有スキルだけでなく、価値観や人間性を重視した精緻なマッチングが求められる30代の転職を徹底サポート。
総合評価85
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type
充実感や成長を感じられる仕事探し
typeは、ひとつ上を目指す人のためのキャリア転職サイト。運営は株式会社キャリアデザインセンター(東証一部上場)。「スカウトメール」「AIによる求人提案」「精度の高い求人検索機能」「企業別の面接対策コンテンツ」等によって、満足度の高い転職の実現をサポートしてくれる。転職サイトの中ではナンバーワンのアクセス数を誇り、充実した転職関連コンテンツが30代の求職者に人気である。
30代におすすめの転職エージェントを比較
次に、30代におすすめの転職エージェントをランキング形式で紹介していきます。
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dodaエージェント
日本最大級の紹介実績を誇る
日本最大級の紹介実績を誇る転職エージェント「dodaエージェント」。運営はパーソルキャリア株式会社。非公開求人を含む10万件以上の求人からdodaの専門スタッフが30代向け求人を厳選して紹介してくれる。「自分にあった仕事がわからない」に加えて、「キャリアの選択肢を広げたい」というニーズにも対応。履歴書・職務経歴書の書き方についてもサポートしてくれることが特徴。
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リクルートエージェント
転職支援実績No.1の転職支援サービス
リクルートエージェントは、転職支援実績No.1の転職支援サービス。キャリア支援実績豊富な転職エージェントが、業界最多の非公開求人の中から30代求職者の希望に沿った求人を紹介し、転職を成功に導いてくれることが特徴。また、提出書類の添削や面接対策に加え、独自に分析した業界・企業情報の提供などの転職サポートも充実している。
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マイナビエージェント
完全無料で転職希望者の要望に沿った求人を紹介する転職エージェント
マイナビエージェントは、20代〜30代の転職に強い転職エージェント。運営は株式会社マイナビ。マイナビグループが誇る豊富な求人情報でビジネスパーソンの転職を全力でサポート。各業界に精通した専任のアドバイザーが30代の転職活動をサポートしてくれる点も大きな特徴。
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パソナキャリア
業界トップクラスの求人数を誇る
パソナキャリアは、業界トップクラスの求人数を誇る転職エージェント。運営は株式会社パソナ。「2020年オリコン顧客満足度調査」において転職エージェントの分野で第1位に選出されている。求人件数は50,000件以上。転職後年収アップ率は67.1%を誇る。高い専門性を持つ専任のキャリアアドバイザーが30代の転職活動を徹底支援してくれる。
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type転職エージェント
専任のキャリアアドバイザーが最適なキャリアを提案してくれる
type転職エージェントは、ITエンジニア・営業職・企画職・ものづくり(メーカー)の転職に強い転職エージェント。運営は株式会社キャリアデザインセンター(東証一部上場)。「納得感のある転職」を実現すべく、30代の求職者に対して専任のキャリアアドバイザーが最適なキャリアを提案。無料の相談会やセミナーを毎週開催していることも特徴。
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JACリクルートメント
高年収層に特化した転職エージェント
JACリクルートメントは、管理・専門職、ミドル・ハイクラスのための転職エージェント。運営は株式会社ジェイ エイ シー リクルートメント(東証一部上場)。総勢約800名の業界・業種に精通した転職のプロフェッショナルが国内大手、外資系、海外進出企業への転職を徹底サポートしてくれる。30代向けのハイクラス求人も豊富に取り揃えている。
30代ハイクラスにおすすめの転職サイト【サイト型】
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ビズリーチ
ハイクラス人材に特化した転職サイト
ビズリーチは、即戦力・ハイクラス人材に特化した国内最大級のハイクラス転職サイト。運営はビジョナル株式会社。30代向けハイクラス求人が豊富に用意されていることに加えて、優良企業や一流ヘッドハンターからビズリーチを通じてスカウトを受け取ることで、思いもよらない企業やポジションに出会うことができる。
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キャリアカーバー
厳選した優良なヘッドハンターが魅力
キャリアカーバーは、株式会社リクルートキャリアが運営するハイクラス・エグゼクティブ限定の会員制転職サイト。ハイクラス人材向けに厳選した優良なヘッドハンターだけがサービスに登録していることが特徴。会員登録後はスカウトを待つだけでOK。担当コンサルタントは自分で選ぶことができる。30代ハイクラス求人も豊富に取り扱っている。
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iX転職
年収1,000万円以上の非公開求人が多数
iX転職は、パーソルキャリア株式会社が運営するハイクラス向けの転職サイト。年収1,000万円以上の非公開求人を多数取り扱っていることが大きな特徴の一つ。厳選されたヘッドハンターが30代に役立つキャリアの選択肢を適切に提案してくれる。また、クラウドキャリアコーチを活用すれば、第三者との対話を通じてキャリアに関する悩みを解消することができる。
30代ハイクラスにおすすめの転職サイト【エージェント型】
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JACリクルートメント
高年収層に特化した転職エージェント
JACリクルートメントは、管理・専門職、ミドル・ハイクラスのための転職エージェント。運営は株式会社ジェイエイシーリクルートメント(東証一部上場)。約800名のプロフェッショナルが国内大手、外資系、海外進出企業への転職を徹底サポートしてくれる。30代向けのハイクラス求人も豊富に取り揃えている。
総合評価87
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ランスタッド
世界最大級の総合人材サービス会社
ランスタッドは、世界最大級の総合人材サービス会社。運営はランスタッド株式会社。総合人材サービス企業として、正社員/紹介予定派遣/派遣といった様々な働き方から30代の求職者の希望に合った仕事を紹介。北海道から九州まで全国に拠点を展開。メディア「キャリアHUB」ではビジネスパーソンに役立つコンテンツを配信している。
総合評価85
30代におすすめのIT業界向け転職サイト【エージェント型】
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レバテックキャリア
IT業界のエンジニアやデザイナーに特化した転職エージェント
レバテックキャリアは、IT業界のエンジニアやデザイナーに特化した転職エージェント。運営はレバテック株式会社。IT業界の業務に対する深い理解を備えたアドバイザーが30代の求職者の強みをしっかり把握。非公開求人などの独自の高給与求人も多数掲載されており、年収が270万円アップした実績も。
総合評価87
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マイナビIT Agent
IT・Web業界のエンジニアの転職に強い転職エージェント
マイナビIT Agentは、IT業界のエンジニアの転職に強い転職エージェント。運営は株式会社マイナビ。IT業界の転職に精通したキャリアアドバイザーと企業との強固なリレーションを構築しているリクルーティングアドバイザーが一丸となり、30代の転職をサポートしてくれる。
総合評価87
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ワークポート
IT業界/ゲーム業界/クリエイター業界に精通した転職エージェント
ワークポートは、専任コンシェルジュによる無料転職相談サービス。運営は株式会社ワークポート。「転職活動にまつわる様々なご要望にお応えする」というコンシェルジュとしてのマインドで、専門性の高いサービスを提供している。IT業界/ゲーム業界/クリエイター業界に精通した転職エージェントが30代の転職活動を強力にサポートしてくれる。
総合評価85
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GEEKLY(ギークリー)
IT/WEB/ゲーム業界特化のエージェント
GEEKLYは、IT/WEB/ゲーム業界特化の転職エージェント。運営は株式会社Geekly。エンジニアが利用したいと思う転職エージェント第一位(日本マーケティングリサーチ機構調べ)。業界専門コンサルタントならではの徹底的な30代向け転職指導を通じて志望企業への入社を最大限バックアップしてくれることが特徴。
総合評価83
30代におすすめのIT業界向け転職サイト【サイト型】
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Find Job!
IT・Web業界で働く人向けの転職サイト
Find Job!は、IT業界で働く人のための転職サイト。運営は株式会社ミクシィ・リクルートメント。IT業界のデザイナー、エンジニア、ディレクター、マーケティング、営業、人事、広報、事務を含む様々な職種の求人が掲載されている。希望者には専任キャリアアドバイザーによる転職支援も実施。他の求人サイトには掲載されていない独自の求人も多く、大手から中小・ベンチャーに至るまで幅広い30代向け求人が揃っている。
総合評価88
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Green(グリーン)
業界最大級の求人数を掲載中
Greenは、成長性の高いベンチャー企業から優良企業に至るまで業界最大級の求人数を誇る転職サイト。直接応募のみならず、企業からのスカウトについても受けることができる。実際、転職希望者の60%が企業側のアプローチから転職を実現している。また、「簡易アプローチ機能」によって、「あなたに興味があります」という意思表示が送られてくることも。画面のレイアウトも見やすく、精度の高いレコメンド機能にも定評がある。
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Wantedly
ビジネスの情報収集に使えるビジネスSNS
Wantedlyは、「はたらく」を面白くするビジネスSNS。Wantedly(ウォンテッドリー)を活用することで、運命のチームや仕事に出会う可能性を高めることができる。スタートアップ企業の求人が豊富。また、創業理念を踏まえ、求人サイトではあるものの、給与や勤務時間などの待遇条件等については記載しない点もポイント。30代でも気軽に使える転職サービス。
総合評価86
30代の男性におすすめの転職サイト
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dodaエージェント
日本最大級の紹介実績を誇る
日本最大級の紹介実績を誇る転職エージェント「dodaエージェント」。運営はパーソルキャリア株式会社。非公開求人を含む10万件以上の求人からdodaの専門スタッフが30代にぴったりの求人をご紹介。自分にあった仕事がわからないという場合に加え、キャリアの選択肢を広げたいという場合にも対応。履歴書・職務経歴書の書き方についてもサポートしてくれることが特徴。
総合評価90
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リクルートエージェント
転職支援実績No.1の転職支援サービス
リクルートエージェントは、転職支援実績No.1の転職支援サービス。実績豊富な転職エージェントが業界最多の非公開求人からご希望に沿った30代向け求人を紹介し、転職を成功に導いてくれる。また、提出書類の添削や面接対策に加え、独自に分析した業界・企業情報の提供などの転職サポートも充実している。
総合評価90
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マイナビエージェント
20代〜30代/営業職・技術系職種・金融関連専門職種の転職に強い
マイナビエージェントは、転職希望者の要望に沿った求人を紹介する20代〜30代の転職に強い転職エージェント。運営は株式会社マイナビ。マイナビグループが誇る豊富な求人情報が大きな強み。各業界に精通した専任のアドバイザーが30代の転職活動をサポートしてくれる。営業職・技術系職種・金融関連専門職種に強いことも大きな特徴である。
総合評価87
30代の女性におすすめの転職サイト
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女の転職type
女性を積極的に採用する企業の求人が満載
女の転職typeは、女性を積極的に採用する企業の正社員・契約社員の求人情報が数多く掲載されている転職サイト。経験者から未経験者向けまで幅広い求人情報を網羅。女性の転職成功者のインタビューや適職カウンセリング、その場で結果がわかる「無料年収診断テスト」や「いい仕事ミイつけよう診断」などの診断ツールも豊富に用意。
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日経WOMANキャリア
日経の女性関連メディアをフル活用
日経WOMANキャリアは、株式会社日経HRが運営する女性特化型転職サイト。主な対象は20〜30代の女性。経理や事務をはじめとして、ワーキングママ向け、未経験OKからキャリアウーマン向けまで女性に特化した良質な30代向け求人を掲載。会員登録すれば、レコメンド機能によって、自身の嗜好にマッチした求人情報がメールマガジンで送付されてくるのが特徴である。
総合評価86
30代で転職を考え始めた人が知っておくべき前提条件
まず、30代で転職を考え始めた人が知っておくべき前提条件について整理します。
30代は人生を劇的に変えられる最後の10年間
20代は自分自身の未来の可能性を純粋に信じることができる時期です。しかし、30代になると、自分の人生に限界が存在することを徐々に実感するようになります。
「手に入れたい」「実現したい」と思っていたことを諦めなければならないケースが増えてくるのです。ただ、逆に言えば、自分の人生を現実的な目線から計算できるようになるのが30代です。40代になってしまうと、むしろ手に入らないことの方が圧倒的に多くなってしまいます。
しかし、30代であれば、20代の頃から叶えたいと思っていた夢を実現することも十分に可能です。その意味で、30代は「人生を劇的に変えられる最後の10年間」と言えるのです。
キャリアの90パーセントは30代で決まる
20代の経験を踏まえ、自分のキャリアの方向性が定まっていくのが30代の特徴です。実際、30代までに転職しない人は40代でも転職をする可能性は低いでしょう。キャリアの90%は30代で決まるのです。
もちろん、40代以降に人生を劇的に変化させることに成功する人もいます。60歳を超えても新たなチャレンジを続けていく人もいると思います。しかし、30代まで主体的にキャリアを描いてこなかった人の多くは40代以降に変わろうと思ってもなかなか変わることに成功できないのが現実ではないかと思います。
キャリアの90パーセントは30代で決まります。30代までに積み上げたことが40代以降のキャリアを形づくるのです。このことをまずしっかりと理解しておいてください。
意外な事実──6割の人は年収が上がっていない
厚生労働省が雇用動向調査結果として、毎年発表している「転職入職者の賃金変動状況(平成30年)」という統計表では、約40%の人の年収が上がり、30%は変化なし、30%が減少となっています。つまり、転職した人のうちの60%の年収が「変化なし」もしくは「下がっている」のです。
ボーナス支給のタイミングの問題で年収が下がって見えているだけのケースもありますが、いずれにせよ、転職して年収が上がるのは実は全体の4割に過ぎないという事実は頭に入れておくべきでしょう。
30代の転職で求められる資質は、即戦力性/適応力/マネジメント能力
30代の転職で求められるものは、20代のそれと大きく異なります。具体的には、「即戦力性」「適応力」「マネジメント能力」の3つの資質が求められる傾向があります。以下、順に説明します。
20代の転職と異なり、30代の転職では「即戦力性」が重視されます。具体的には、前職で実績を残していたり、マネジメントとしてチームをリードした経験があれば、前職よりも上位の企業に転職することができたり、年収アップに成功する可能性が高まります。
適応力──これまでの経験をアンラーニングする力
世の中のトレンドが激しく移り変わる昨今においては、変化を察知し、それに迅速に対応するマインドセットが求められます。が、経験豊かな30代のビジネスパーソンの中には、前職のやり方を「常識」と思い込み、固定観念に縛られてしまっているケースも少なくありません。
このような場合、採用する立場からすれば、「もしかしたら自社のカルチャーにフィットしないのではないか」という不安を抱いてしまいます。特に、ベンチャー企業に転職する場合は、一人ひとりが幅広い役割をこなす必要があり、未経験の業務にも積極的に挑戦する姿勢が大切です。
マネジメント能力──異業種への転職の可能性も
30代の転職では、マネジメント能力を期待されるケースが多くなります。マネジメント経験を武器にすれば、異業種への転職の可能性も高まります。最近では、管理業務だけではなく、自分自身で手を動かして業務を遂行できるプレイングマネージャーが特に求められる傾向があります。年収が下がってでもマネジメント経験を積みたいという軸で転職を目指すケースも見られます。
市場価値は転職時期によって変動する──チャンスを待つ姿勢も必要
転職が成功するかどうかは、「どのようなキャリアを積み上げてきたか」だけでなく、「そのキャリアがそのタイミングで市場で求められているかどうか」に左右されます。実際、同じスキルを持っていたとしても、転職活動の時期によって、転職市場における評価は大きく変化します。
例えば、数年前の仮想通貨業界においては、コンプライアンス責任者が特に求められていましたが、今は採用枠が埋まっており、以前に比べると求人案件は減少傾向と思われます。ただ、逆のケースもありえます。つまり、良い求人がなく、一旦は転職を諦めたとしても、数年後には市況が変わって、チャンスが巡ってくることもあるのです。
また、社内で退職者が出て、急に採用が必要となった場合は、業務がストップしてしまうことを防ぐために、一般的な年収相場よりも高い水準で採用となるケースもあるようです。以上を踏まえ、転職を思い立った際には、すぐに転職に踏み切るのではなく、「チャンスを待つ」というスタンスも場合によっては必要かと思います。
転職回数ゼロで35歳を迎えることがリスクとなりつつある
既に述べた通り、「35歳転職限界説」は過去のものであり、自分自身に市場価値がある限りにおいては、何歳でも転職可能な時代だと思います。その一方で、厳しい言い方かもしれませんが、35歳を過ぎて、普遍的に必要とされるスキルを持たない場合、人生の選択肢が急激に減っていくこともまた事実です。
もちろん、一社で働きながら、「キャリア資本」が蓄積されている実感が得られている場合は、必ずしも転職する必要はないと思いますが、そのようなケースはきわめて稀でしょう。変わらない日々の中では、「キャリア資本」が蓄積されないケースの方がよっぽど多く、人材として流動性を高めることを優先し、35歳までに転職を視野に入れ始めることも一つの選択肢になり得るかと思います。
30代の転職で失敗しないために重視すべきポイント
次に、30代の転職で失敗しないために重視すべきポイントについて整理します。
即戦力であることを採用担当者に伝える
転職市場において、ポテンシャルで採用してもらえるのは20代までの話。30代の転職では何よりも「即戦力性」が求められます。では、即戦力性をアピールするにはどうすれば良いのでしょうか?それは、「自分が入社したら、転職先企業に対してどのようなメリットをもたらすことができるのか」を簡潔に述べることです。入社後の活躍を採用担当者がイメージできるように話を組み立てていきましょう。
30代の転職では保有資格よりも実務経験が重要
転職を考えた時に、真っ先に資格取得を考える人も少なくないかもしれません。しかし、よっぽどの難関資格を取得した場合は別として、資格を取得して採用が有利になるというケースは基本的にはほとんどないと言って良いと思います。
むしろ、「資格コレクター」のような印象を与えてしまって、評価を下げてしまう可能性もあります。採用担当者が重視しているのは保有資格の有無ではなく実務経験であるという大前提を理解した上で、自分がこれまでに積み上げてきた実績を魅力的に伝えることを心掛けていきましょう。
スキルの「掛け算」で年収は上がる──英語から逃げるのは勿体無い
一つひとつはありふれた要素だとしても、掛け合わせることによってそれらが大きな強みに変わる場合があります。その意味で、20代の転職と同様に、英語は30代の転職でも非常に重要なスキルと言えます。
近年は、転職や昇進考査の条件にTOEICの点数が含まれるなど、ビジネスシーンでの英語の重要性が高まっており、楽天、ホンダ、ブリヂストンなど社内の英語公用語化が進んでいる企業も見受けられます。英語については、しっかりと勉強しておくことをおすすめしたいと思います。
新卒時の就職人気ランキングに惑わされない
30代になっても、新卒時の就職人気ランキングに影響されてしまう人がいます。しかし、学生時代の憧れの企業はあくまで学生による人気投票に過ぎません。ブランドの重要性は無視できませんが、ブランドに引きずられて、人生の主導権を失わないように注意しましょう。
自己投資を継続することが30代の転職を成功に導く
30代になると、自己投資を怠る人が増えてきますが、自分を磨き続けているかどうかは外見的な雰囲気に現れてくるものです。私の周囲を見渡していても、向上心を持って日々頑張っている人はキャリアアップに成功している場合が多いように思います。謙虚な姿勢を忘れずに自己研鑽を続けることを心掛けましょう。
30代で未経験職種に転職できるのか
30代で未経験職種に転職することはかなり厳しいことを理解しておくべきです。既に述べたように、30代のビジネスパーソンに対して企業側が求めているのは「マネジメント経験」と「即戦力性」です。が、30代で未経験者だと上司が年下になる可能性もあり、その場合、気まずい状況が生まれてしまいがちです。
ただ、30代で未経験職種への転職は確かに難易度が高いですが、可能性はゼロではありません。例えば、コンサル業界未経験でも、特定業界の知見が豊富な場合、その業界知識を評価されて内定が得られることがあります。この辺りについては、転職エージェントにアドバイスを求めると良いでしょう。
30代の転職でアピールすべきポイント
30代の転職でアピールすべきポイントについて整理します。
これまで培ってきたスキル/専門性
1つ目は、これまで培ってきたスキル/専門性です。30代の求職者はプロとしての能力を見極められることになります。自分が保有しているスキル/専門性はを客観的に証明した上で、「このスキルや専門性を生かして、御社の発展に貢献することができます」と採用担当者に具体的なイメージを持ってもらうことを意識しましょう。
マネジメント経験
2つ目は、マネジメント経験です。30代前半では実務経験を問われることが多いですが、30代後半ではマネジメント経験を問われる傾向にあります。マネジメントやリーダーシップの経験がある人は、しっかりアピールすると良いでしょう。
30代の転職で準備すべきことは何か
30代の転職では「即戦力性」が求められるので、企業側はどうしてもこれまでの経験と入社後に任せる業務内容との親和性を重視する傾向があります。20代なら経験が少なくてもポテンシャルを考慮して採用される可能性がありますが、30代の場合は、「自分がどんな実務経験を積み上げてきたか」「その経験を生かして転職後にどのような貢献ができるか」を具体的に問われることになります。
これらを踏まえ、書類選考や面接を受けるに際しては、自分のキャリアを丁寧に棚卸しした上で、「どの経験をどのような方法でアピールするか」を考える必要があります。30代ならこれまでに様々な経験をしていると思いますが、その中から転職先での仕事との共通点を探し、抽象化した上で、自分の経験をどのようにして生かすことができるかを説得力を持って説明できるようにしておきましょう。
30代の転職活動を始める上で何をすべきか
30代の転職活動を始める上で何をすべきかについて整理します。
転職活動の計画を立てる
1つ目は、転職活動の計画を立てることです。「転職したい!」という気持ちだけが先走ったところで転職活動は上手くいきません。「いつまでに転職を完了させるのか」「何を目的に転職するのか」を明確化した上で、転職活動の計画を立てましょう。
何を求めて転職するのかを明確化する
2つ目は、何を求めて転職するのかを明確化することです。転職すること自体を目的にしていると、転職後上手くいかなくなる可能性が高いです。「自分は何がやりたいのか」を考えた上で、どのような職場を選ぶべきなのかを考えてみましょう。
これまでのキャリアを棚卸しする
3つ目は、これまでのキャリアを棚卸しすることです。前職で成し遂げたアピール可能な実績が見落としているだけで実はあるかもしれません。キャリアの棚卸を通じて、自分自身の強み/弱みを正確に、転職活動に役立てましょう。
転職サイトに登録する
4つ目は、転職サイトに登録することです。実際問題として、独力で転職を成功させるのはかなり難しいです。dodaやリクナビNEXTといった転職サイトに登録し、転職先を見つけやすい状態にしておきましょう。年収アップを狙うなら、ビズリーチやキャリアカーバーへの登録もおすすめです。
転職エージェントに登録する
5つ目は、転職エージェントに登録することです。一人で転職活動を行うのが不安に感じる場合は、転職エージェントの活用がおすすめです。キャリアアドバイザーから客観的なアドバイスをもらいながら転職活動を進めれば、転職成功の可能性が高まります。リクルートエージェントやdodaエージェントに登録した上で、一度、キャリア相談をしてみると良いでしょう。
30代の転職で理解しておくべきこと
30代の転職で理解しておくべきことは、転職後に年収やポジションが下がるケースも多いということです。今の年収やポジションがあるのは、その会社で積み上げてきた評価によるところが大きいため、会社が変われば前職での評価は一旦リセットされてしまい、前職より低い年収やポジションからスタートすることが多いのです。
もちろん、前職と同等もしくはそれ以上の好待遇で転職できるケースもありますが、それは社外でも評価されるような圧倒的な成果を出した人に限定されるのが実情です。ただ、転職直後は年収やポジションが下がったとしても、その会社でしっかりと実績を積み上げていけば、前職と同じもしくはそれ以上の年収を得ることは可能です。
転職活動を通じて、年収に加えてやりがいも手に入れることができれば理想的ですが、現実的には「転職によって何を得たいのか」を踏まえた上で、「希望する仕事に就けるなら多少は年収が下がっても構わない」といった折り合いをつけることも必要です。
また30代が転職先を選ぶ際は、「長く働き続けられる会社か」という視点を持つことも重要です。20代であれば、うまくいかなければ別の職場を探すこともできますが、30代になると40代以降のキャリアも見据えた上で、腰を落ち着けて働ける会社を選ぶ必要があります。転職先を探す際には、職場の労働環境や評価制度などをしっかり確認すると良いでしょう。
30代転職者の転職理由
ここで、30代転職者の実際の転職理由について整理しておきます。
厚生労働省の調査結果
厚生労働省が発表した「令和元年上半期雇用動向調査結果」によると、30代の転職理由については、その他(出向等)を除外すれば、下記のような結果になっています。
30代男性
1位:労働時間、休日等の労働条件が悪かった
2位:会社の将来が不安だった
3位:給料等収入が少なかった
30代女性
1位:職場の人間関係が好ましくなかった
2位:労働時間、休日等の労働条件が悪かった
3位:給料等収入が少なかった
30代総合
1位:労働時間、休日等の労働条件が悪かった
2位:給料等収入が少なかった
3位:職場の人間関係が好ましくなかった
30代の男性/女性で転職理由の1位は異なっていますが、総合すると、転職理由の1位は「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」となっています。
また、「給料等収入が少なかった」が2位、「職場の人間関係が好ましくなかった」が3位という結果となっています。
doda転職理由ランキング2018
やや古いデータですが、dodaが発表する「doda転職理由2018」によれば、30代の転職理由は下記の通りです。
1位:ほかにやりたい仕事がある
2位:会社の将来性が不安
3位:給与に不満がある
4位:残業が多い/休日が少ない
5位:専門知識・技術力を習得したい
6位:U・Iターンしたい
7位:幅広い経験・知識を積みたい
8位:会社の評価方法に不満がある
9位:業界の先行きが不安
10位:市場価値を上げたい
また、30代の転職理由の経年変化については下記の通りです。
このグラフからは「給与に不満がある」「残業が多い/休日が少ない」が理由で退職する30代が増えてきていることが見て取れます。
30代の転職に資格は必要か
30代の転職者に対して企業が求めるものは、「保有している資格」ではなく「何ができるか」です。具体的には、専門性とマネジメント能力が特に求められます。保有資格を武器に転職活動に挑もうとする人がいますが、必ずしも有効に働きません。もちろん有資格者がいなければ業務が遂行できないという場合は、この限りではありませんが、趣味に関する資格や難易度がそれほど高くない民間資格などを取得したところで、採用にはつながらないことを理解しておきましょう。
最後に
30代で転職する可能性がゼロであったとしても、自分の市場価値を把握するために、転職サイト/転職エージェントには登録しておくべきだと考えています。転職サイトのスカウトサービスに登録し、自分の経歴や希望条件を入力しておくと、興味を持った企業や転職エージェントからオファーが貰えたりで、自身の経歴に対する第三者の反応を知ることができます。
また、転職エージェントに相談することもオススメです。相談は基本的には無料なので、一度、連絡してみると良いでしょう。転職を検討していない状況でも、転職エージェントと定期的に壁打ちをすることは個人的におすすめです。現役ビジネスパーソンの話を聞くことは、転職エージェントにとっても決して悪い話ではないですし、全く遠慮する必要はないと思います。ランチであれば、奢ってくれる場合も多いので、ランチがてら相談してみるというのも良いと思います。
20代と同様、30代でも自己研鑽を続けることが重要です。「30代までガムシャラに頑張る必要はない」という意見もあるでしょうが、30代で自己研鑽を継続する人はかなり少なく、20代と同様に努力を継続することができれば、周囲のライバルに対して大きく差をつけることができると思います。人生100年時代においては、学び続けることの重要性がますます高まることは間違いありません。「いつでも転職できる自分」を目指し、30代前半のうちにキャリア資本を積み上げておくことをおすすめしたいと思います。