「B2B SaaSエンジニアが語るマネジメント論」米元 智氏×郷田 祥史氏×渋谷 亮氏×戸本 裕太郎氏×曽根田 侑也氏×堀 譲治氏

開発リーダーが結果的にPMと呼ばれるまで(郷田 祥史氏)

登壇資料:開発リーダーが結果的にPMと呼ばれるまで

井上:続いてですが、スマートキャンプ株式会社のプロダクトマネージャー、郷田から宜しくお願い致します。

郷田:「開発リーダーが結果的にPMと呼ばれるまで」というテーマで発表させて頂きます、スマートキャンプ株式会社の郷田と申します。本日は宜しくお願い致します。ちなみに、本日の発表内容ですが、「Roppongi Product Manager Meetup」というイベントで発表させて頂いた内容がベースとなっています。宜しくお願いします。

まず、本日の発表の目的ですが、B2B領域でPMになりたいと考えているエンジニアの方々に対して、私の実体験を紹介することで、今後の業務に役立てて頂くことを想定しています。内容は決してスマートなものではなく、どちらかと言うと、「泥臭い系」です。また、私自身、PMについては「勉強中」の身なので、拙い部分については、フィードバックを頂ければ有難いです。

では、最初に、私自身と弊社のプロダクトの紹介をさせて頂いた上で、「自称PM」になるまでの経緯とそのために取り組んだ施策についてお話させて頂きたいと思います。まず、自己紹介ですが、私、郷田と申します。2014年4月に新卒で動画配信のプラットフォーム開発を行っている企業に入社し、Androidの開発やWebでの自社フレームワークの開発を行っていました。その後、スマートキャンプに転職したのですが、当時のスマートキャンプではプロダクトがBOXILのみだったこともあって、BOXILの開発やサービスのリプレイスなどに取り組んでいました。また、エンジニアの正社員としては、私が二人目だったこともあり、エンジニア採用やインターン生の教育にも携わっていました。

その後、コーポレートIT部門の立ち上げや「Biscuet」というプロダクトの立ち上げに携わりました。ちなみに、苗字が郷田ということもあって、社内では「ジャイアン」と呼ばれています。懇親会でお話しする際は、「ジャイさん」と呼んで頂ければ幸いです。ドラムが好きで、「BABY METAL」というバンドがあるのですが、最近は、そのバンドのメンバーからドラムのレッスンを受けているくらいドラムが好きです

次に、プロダクトの紹介です。インサイドセールスのマネジメントを行うためのSaasプロダクト「Biscuet」を開発しております。プロダクトのビジョンとしては、「効率的かつ効果的な営業組織を世の中に広める」ことを掲げています。インサイドセールスについて少しお話しておくと、昔は、セールス担当者がマーケティングから顧客サポートまでを一人が継続してサポートするという体制が一般的でした。しかし、そのプロセスからマーケターが切り離され、カスタマーサクセスが切り離され、このような形で、最近では、インサイドセールスやフィールドセールスという役割が生まれてきています。業務を分業化することによって、担当営業に依存せずに、専門領域に集中するというのが最近の営業組織のトレンドです。

そして、この中で言えば、Biscuetはインサイドセールスの領域に特化したSaaSです。ちなみに、同じ業界のサービスで言えば、Salesforceさん等があります。

利用技術については、以下の通りです。

ここからが本番です。「開発リーダーが結果的にPMと呼ばれるまで」について振り返ってきたいと思います。

まず、こちらがタイムラインです。上側が業務のタイムライン、下側が私の役割のタイムラインです。

実は、私は業務がある程度出来上がった段階でチームに加わっています。2018年12月頃、BAILSの業務専用システムの開発に取り組んでいたのですが、その開発の途中からジョインしました。先程、登壇していた米元が開発リーダーを務めていたのですが、その役割を引き継ぐ形で、私が開発リーダーになりました。

Biscuetの開発に着手し始めたのが、2019年3月です。その頃、プロダクトの成功について色々と考えた結果、「自分は越境しなければならないな」と考えるようになり、そのタイミングで、「プロダクト屋さん」に転身し、2019年8月にサービスをリリースしました。この後、また、2回目の越境があるのですが、ここからは1回目の越境と2回目の越境についてお話させて頂ければと思います。

まず、1回目の越境の話です。Biscuetに着手する際、当然、「プロダクトをやりたい」という気持ちは会社としてはありました。しかし、「誰に対するどのような問題を解決するプロダクトなのか」については特に定まっておらず、プロダクトの全体的な方向性を考える人もいませんでした。その頃、私は開発リーダーを務めていたのですが、そのことを上司に相談したところ、「だとしたら、それを考える役割を採用するかジャイアンがやるかの2択だよね」ということを突きつけられました。

実は、コーポレートIT部門の立ち上げの際も、採用をやらせて頂いたことがあるのですが、その経験上、「ゼロイチ」ができる人材の採用はめちゃくちゃ難しいということを強く感じていました。加えて、自社文化との親和性まで含めて考えると、採用にかなりの時間がかかってしまうことが想定される。「じゃあ、私がやるしかないよね」ということで、一度目の越境を決意しました。

「プロダクト屋さん」になると決めてから、「自分は開発はしない」「何よりも早く市場にプロダクトを出す」ことを最優先に考えました。具体的には、プロダクトをリリースする上でのボトルネックを見つけたり、そのボトルネックの改善に率先して取り組みました。足りない役割があれば、私が補うことを意識しました。ただし、自分が全部やってしまうと、自分自身の存在がボトルネックになってしまうので、補った役割をチームの担当者に分散させるということを心掛けました。最初の頃は、チーム内では、「やること多すぎやん!」「まとまって開発する時間とれんよ!」「要件を決める人も仕様を決める人もいないよ!」「モチベーション上がらんよ!」等と言われていましたが、それらをなんとか自分なりに咀嚼して、整理して、優先度を考えて、一つひとつに取り組んでいきました。

その中で、特にB2B SaaSプロダクトに関して言うと、求められる機能が非常に多いんですね。業務を完遂するために、あれもこれもやらないといけない。そして、プロダクトをリリースするためには、その中で、「何が最小限なのか」を見極めることも必要です。それが思っている以上に難しい。

これらを踏まえ、私自身も含め、エンジニアのドメイン知識を強化することに注力しました。具体的な取り組みとしては、あくまで一例ですが、業界のSaaSやサービスが出展する「営業支援EXPO」やインサイドセールスに関する日本最大級のカンファレンス「Inside Sales Conference 2019」に参加させて頂きました。また、インサイドセールスの会社向けのセミナーに参加したり、自社・他社も含めて、インサイドセールスの担当者の方々にヒアリングを行いました。

また、エンジニアチームのドメイン知識の向上については、個人的に「現代におけるセールスの教科書」として重宝している『THE MODEL』という書籍があるのですが、この本をエンジニアチームを含めて読み合わせをすることによって、ドメイン知識の向上を図っていきました。

また、二度目の「越境」の話ですが、弊社にはアドバイザーとしてお世話になっている方がいらっしゃいまして、その方に業務について色々とご相談させて頂いていたのですが、ある時、そのアドバイザーの方から、「あなたがやっていることはプロダクトマネージャーの仕事だと思います」ということを言われました。そして、そのタイミングではじめて、「プロダクトマネージャーという役割が足りていなかったらしい」ということを認識し、「自分がプロダクトマネージャーになるぞ」と決心しました。

さらに、最近、取り組んでいることとしては、インサイドセールスの担当業務フローや開発プロセスの整理を進めています。最後に、アドバイザーの方々から「参考にすると良いよ」と言われた書籍について、ご紹介させて頂きます。私からは以上になります。