「着用時の疲労度は1/5に減少」世界初・スーツに見える作業着で日本の“働き方”が変わる

2019年11月15日、世界初・スーツに見える作業着「ワークウェアスーツ」(以下、WWS)を企画・販売する株式会社オアシススタイルウェアと日本で唯一の国立体育系単科大学として知られる鹿屋体育大学により、「脳波を用いたスーツに見える作業着着用時の作業効率度を測る成果発表会」が開催された。共同研究を実施した鹿屋体育大学准教授の萩原悟一氏に加え、WWSのヘビーユーザーとして知られる株式会社ロコンド代表取締役・田中裕輔氏を迎えて実施された本イベント。今回は、その概要をイベントレポートとしてお届けする(以下、敬称略)。

撮影:多田圭佑

WWSの説明・研究開始の経緯

まず、冒頭で、株式会社オアシススタイルウェア代表取締役・中村有沙氏(以下、中村氏)から、「WWSの説明・研究開始の経緯」に関する説明が行われた。

中村:オアシスライフスタイルウェアの代表を務めております中村有沙と申します。本日は、お集まり頂きまして、有難う御座います。私からは10分ほどお時間を頂きまして、WWSの説明や研究開始の経緯についてご説明させて頂きます。

まず、弊社についてですが、オアシスライフスタイルグループという「衣」「食」「住」に関する事業を展開している企業の中で、「衣」に関する事業を展開しています。

ちなみに、オアシスライフスタイルグループ内には、「衣」に関する事業を展開するオアシススタイルウェアに加え、「食」に関する事業を展開するオアシスティーラウンジオアシスティースタンド、「住」に関する事業を展開するオアシスソリューションが御座います。マンション向けの水道工事サービスを提供するオアシスソリューションは2006年に創業されまして、その後、2つ目の事業として、台湾発祥のタピオカミルクティー等を提供する飲食事業を2013年から展開しております。そして、今回、ご紹介させて頂くアパレル事業が3つ目の事業という形になります。

弊社が提供しているWWSは「スーツに見えますが、作業着です」というキャッチコピーを採用しておりまして、有難いことに、様々な職種の方々にご利用頂いています。具体的には、美容師さん/建設現場の空間デザイナーさん/カメラマンさんのようなしゃがんだり動いたりすることの多い職種の方々にご愛用頂いているように思います。

開発に至った背景についてですが、元々、マンション向けの水道工事サービスを提供する上で、現場のマナーやお客様に対する身だしなみを課題として感じていました。また、当時、若手の人材採用に非常に苦戦をしていたこともありまして、「水道工事の現場のイメージを少しでも良くしていきたい」という思いで、開発に取り組みました。実は、当初は、我々も一般的な作業着を利用していまして、作業着をリニューアルするタイミングで、世の中に出回っている作業着を色々と試してみたのですが、「是非とも使いたい」と思えるような作業着になかなか巡り会えず、仕方なく開発したのが、このWWSです。

具体的にどのような特徴があるかについてご説明させて頂きます。まず、スーツに見えるからといって、作業着としての機能性が損なわれてしまっては意味がありません。WWSでは、「軽い」「柔らかい」「動きやすい」という点を非常に重視しています。また、作業着というのは、その性質上、様々なモノをポケットに収納する必要があるため、WWSも「多収納」をコンセプトの一つとして掲げています。実際、メンズの場合、スーツ上下でポケットが12個あり、非常に収納性に優れています。さらに、現場の人は毎日アイロンをかける時間が取れない場合もあると思いますので、洗濯機で洗って、干して頂ければ、アイロンいらずで、非常にタフに扱うことができる素材を使用しています。

当初は、速乾性・防水性・撥水性があって、家で毎日洗うことが出来て、形態が安定していて、かつ柔らかいという生地を見つけることができずにいたのですが、2年間かけて、「Ultimex」という高機能新素材を弊社で独自開発することに成功しました。

この「Ultimex」ですが、「タフで、なめらか。究極の新素材」を謳っています。機能性の素材の中には、“シャカシャカ”していたり、肌触りがごわつくタイプのものも少なくありませんが、この素材は、「着心地が良くて、柔らかくて、肌触りも気持ちいい」ということを重視して、開発されました。撥水性はレインウェアの約1.5倍、透湿性はマウンテンパーカーの約3倍を誇ります。この生地のおかげで、WWSを実現することが出来たと言っても言い過ぎではありません。

昨年の3月に発売開始したのですが、数多くのメディアにご紹介頂いています。代表的なところで言えば、日経クロストレンドやワールドビジネスサテライトで取り上げて頂きました。また、海外においても、BBC Newsで取り上げて頂き、海外からもお問い合わせを頂いています。

また、ファッション関連のメディアにも数多く取り上げて頂いております。さらに、糸井重里さんをはじめとして、数多くの著名人の方々にもご愛用頂いております。

法人への導入事例も非常に多く、発売開始から1年半のタイミングで、300社以上の法人様へ導入させて頂いております。具体的な導入企業についてですが、水道工事の事業でお取引をさせて頂いている三菱地所さんは、弊社の社員がWWSを使用しているのを見て、「是非使用したい」ということで、最初にお声がけ頂きました。高級マンションの管理人さん向けの制服として主にご活用頂いています。

また、LAFORET MUSEUMさんや中古車販売のBIGMOTORさんにもご利用頂いています。さらに、ゴミ回収のYELLさんには、「ゴミ回収のイメージを少しでも良くしたい」ということで、ご利用頂いております。

取扱店舗の一例ですが、三越伊勢丹/ABAHOUSE/417EDIFICE/博多阪急で販売頂いております。

また、ちょうど本日からスタートなのですが、URBAN RESEARCH Store全国6店舗で取り扱いを開始しています。

主なターゲットとしては、30〜45歳のアクティブなビジネスパーソンを想定しています。「普通のスーツは着心地があまり良くないし、クリーニングを頻繁に出せなくてちょっと苦手かな」という方でも、弊社のスーツであれば、タフに使えて、非常に“楽チン”だという声を頂いています。また、「ユニクロのジャケットでも良いんだけど、ユニクロはそろそろ卒業したいな」という方にもご利用頂いています。

最後に、今後の展望ですが、「高機能かつリーズナブルな価格」という点にフォーカスした上で、機能系スーツに特化したNo.1ブランドを目指していきたいと考えております。

着用時の作業効率度を測る成果発表

続いて、鹿屋体育大学准教授の萩原悟一氏から、研究成果の発表が行われた。

萩原:鹿屋体育大学の萩原と申します。今回の研究結果をご報告させて頂きたいと思います。実は、鹿屋体育大学の水泳部は、アテネ五輪金メダリストの柴田亜衣選手を輩出したことで知られており、当時は、「名門水泳部」と言われることもありました。しかし、近年、以前のようには成績が振るわない状況に直面しておりまして、水泳部のヘッドコーチが「着るものを変えれば、意識が変わる。カッコいい水泳部を目指そう」と考え、WWSを導入させて頂きました。それに伴い、研究が始まったという経緯です。

被験者は水泳部員の21名で、内訳としては、男性11名/女性10名です。実験の内容ですが、トレッドミルの上を約20分間にわたり歩行して頂くことをリクルートスーツを着用した場合とワークウェアスーツを着用する場合の2回にわけて計測を行いました。使用した指標としては、主観的評価では、2次元気分尺度:TDMS-ST(坂入ほか,2003)/客観的評価では、脳波分析を活用しました。

まず、主観的評価の結果ですが、「WWSの方が一般的なスーツに比べ、運動後でも快適度が高く、また、運動後に活性することが明らかになった」ことが判明しました。また、選手インタビューを行った結果、「着心地はジャージを着ているときと変わらなかった。スーツを着て歩行すると肩がこるが、WWSだと肩がこらなかった。10分間の歩行で心地よい気分になった」「スーツを着て歩行することで、(練習前の)良いウォーミングアップになった。格好いいスーツを着て運動したので気分が向上した気がする」というフィードバックが得られました。

次に、客観的評価の結果ですが、簡易脳波計および脳波アプリ(スポーツKANSEI)を用いて、脳の疲労感における実験前後の変化量の検証を行なった結果、「一般的なスーツに比べ、WWSは運動後の疲労感が増しづらい」ことが示されました。

これらをまとめますと、快適性については、「普通のスーツに比べ、WWSは主観的および客観的快適度が高い」「一般的なスーツに比べ、快適性に優れている」、疲労感については、「普通のスーツに比べ、WWSは運動前後で疲労感が増しにくい」「一般的なスーツに比べ、疲労しにくい」、着心地については、「遠征での移動着として着用した際、選手からはポジティブな意見が多く挙げられていた」ことが判明しました。

ロコンド田中CEO×オアシススタイルウェア中村CEOによる特別対談

最後に、株式会社ロコンド代表取締役・田中裕輔氏(以下、田中氏)を迎え、特別対談が行われた。

靴とファッションの通販サイト・ロコンドにおいても、WWSは人気商品として取り扱われている。また、ロコンド代表取締役の田中裕輔氏は、自他ともに認めるWWSのヘビーユーザーとして知られており、先日、出張でバルセロナを訪れた際も、機内でWWSを着用することで、17時間のフライトを快適に過ごすことができたと語る。

最近では、プライベートでも、WWSを着用の上、自転車に乗ったり、ランニングを行う場合もあると言う。また、田中氏自身、二児の父でもあり、家族の洗濯物の量の多さに悩まされていたが、WWSを利用してから、「妻の家事の負担が軽減されて非常に助かっている」ことが伝えられた。

執筆者:勝木健太

1986年生まれ。幼少期7年間をシンガポールで過ごす。京都大学工学部電気電子工学科を卒業後、新卒で三菱UFJ銀行に入行。4年間の勤務後、PwCコンサルティング、有限責任監査法人トーマツを経て、フリーランスの経営コンサルタントとして独立。約1年間にわたり、大手消費財メーカー向けの新規事業/デジタルマーケティング関連のプロジェクトに参画した後、大手企業のデジタル変革に向けた事業戦略の策定・実行支援に取り組むべく、株式会社And Technologiesを創業。執筆協力として、『未来市場 2019-2028(日経BP社)』『ブロックチェーン・レボリューション(ダイヤモンド社)』などがある。Twitterアカウントはこちら