【書評】『資本主義ハック 新しい経済の力を生き方に取り入れる30の視点(著:冨田和成氏)』

本書『資本主義ハック 新しい経済の力を生き方に取り入れる30の視点(SBクリエイティブ)』は、株式会社ZUU代表取締役の冨田和成氏(以下、冨田氏)による「資本主義社会を生き抜くための指針」を示した書籍です。

冨田氏率いる株式会社ZUUは、2018年6月に東証マザーズに上場した成長著しいフィンテック企業として知られています。私自身、過去に株式会社ZUUが運営するメディア「ZUU online」で記事を執筆させて頂いた経験があります。

当時は、コンサルティングファームに所属しており、業務の都合上、実名で執筆することができなかったので、クレジットの部分が「ZUU online編集部」となっていますが、この記事がNewsPicksで取り上げられたことがきっかけとなり、様々な媒体から書き手として声がかかるようになった経緯があります。上記の記事のおかげで、私の人生は少なからず「スケール」する方向に向かったと言っても大袈裟ではありません。ちなみに、ZUU onlineさんで記事を執筆させて頂くきっかけとなったのは、現在、同社で取締役を務められている原田 佑介さんにリクルート社が運営する「サンカク」というサービス経由でコンタクトを取り、渋谷のカフェで友人を含めた3人でお茶をした結果、「何か一緒にやりましょうよ」と誘って頂いたことがきっかけです。原田さんには大変素晴らしいチャンスを与えて頂いたと考えています。

なぜ本書を読むべきなのか

さて、前置きはこれくらいにして、本書の中身についてここから紹介していければと思います。本書には数多くの示唆が盛り込まれていますが、特に有益と思われるのが、第一章の「すべては『因数分解』から始まる」でしょう。冨田氏は、資本主義社会における競争に勝つためには、周囲が気づいていない情報や認知の歪みを利用する「アービトラージ」という考え方が重要だと説いています。その考えに異論を唱える人はいないでしょうし、こう言った考え方を示す書籍はいくつか存在しますが、本書が類書と決定的に異なるのは、「では、どうやったらその『歪み』に気づくことができるのか」という疑問に対して、非常に説得的かつ再現性のある方法論を提示している点です。詳しくは本書をお読み頂ければと思いますが、カギとなるのは、徹底的な「因数分解思考」を通じたアービトラージの種となる「隠れ因子」を特定することにあります。ビジネスパーソンがキャリアアップを図る上で、獲得すべきスキルは多岐に渡りますが、この「因数分解思考」はあらゆる物事に対して汎用的に活用可能であり、真っ先に体得すべきものの一つであると考えます。著者の冨田氏は、金融パーソンとしても起業家としても、常に超一流のアウトプットをクライアントに対して提供してきたことは過去の実績を見ても明らかですが、その背景にあるのは、上記の「因数分解思考」にあるのではないかと個人的には考えています。

最後に

本書には上記以外にも数多くの価値ある内容が含まれているので、多くのビジネスパーソンの方々に是非とも読んで頂きたいと考えています。また、本書を通じて、冨田氏がこれまでの実務経験を通じて確立した思考体系に触れることができますが、それに加えて、冨田氏が創り上げた「ZUU」という企業について深く知ることによって、より多くの示唆が得られると思います。興味のある方は、一度、公式HPを覗いてみるのも良いと思います。

<書籍情報>

▶︎ 資本主義ハック 新しい経済の力を生き方に取り入れる30の視点

執筆者:勝木健太

1986年生まれ。幼少期7年間をシンガポールで過ごす。京都大学工学部電気電子工学科を卒業後、新卒で三菱UFJ銀行に入行。4年間の勤務後、PwCコンサルティング、有限責任監査法人トーマツを経て、フリーランスの経営コンサルタントとして独立。大手消費財メーカー向けの新規事業/デジタルマーケティング関連のプロジェクトに参画した後、大手企業のデジタル変革に向けた事業戦略の策定・実行支援に取り組むべく、株式会社And Technologiesを創業。執筆協力実績として、『未来市場 2019-2028(日経BP社)』『ブロックチェーン・レボリューション(ダイヤモンド社)』、寄稿実績として、『キャリアハック』『Forbes JAPAN』『ダイヤモンド・オンライン』『BUSINESS INSIDER JAPAN』『ITmedia』等がある。Facebookアカウントはこちら / Twitterアカウントはこちら